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| (左)大湯の源泉を絵葉書にしたもの。明治期より大湯は有名な観光スポットだった。(右)かつての伊豆山港。山あいに多くの湯煙が立ちのぼる様子が窺える(熱海市立図書館所蔵)。 |
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| (左)万巻上人が開いたといわれる湯前神社。大湯のすぐ前に位置する。(右)伊豆山の麓に今も湧き続ける走り湯。洞窟の奥には実朝が「神の験」と詠んだ源泉があり、高温の湯気に包まれ神秘的な光景を見ることができる。 |
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(左)「熱海七湯」のひとつ・清左衛門の湯。古屋旅館が所有する源泉で、現在も豊富に湧き出ている。 |
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政財界・文壇のお歴々がここまで熱海にこだわった理由のひとつは、1日約26,000トンの湧出量を誇る温泉にある。塩化物温泉と硫酸塩温泉が約9割を占め、保温効果に優れ、神経痛や冷え性などに効果的。弱アルカリ性の湯が肌にやさしいと女性にも好評だ。
熱海に温泉が湧くという古記録はすでに5世紀に登場しているが、伝説上の温泉開きは8世紀。箱根権現の万巻上人が泉脈を海上から山腹に移したとされている。伝説の舞台には湯前神社が建立され、移された源泉が現在の大湯にあたる。
鎌倉時代以降、源頼朝が伊豆山神社を深く信仰したため、熱海の中心は伊豆山にあった。三代将軍実朝は伊豆山神社に詣で、源泉の走り湯を見て、こんな和歌を詠んだ。
「伊豆の国や山の南に出(いづ)る湯のはやきは神の験(しるし)なりけり」
時代は下り、江戸時代はじめの慶長年間のこと。熱海を訪れ、大湯に着目した徳川家康は、京都で病気療養中の吉川広家に大湯の湯を贈っている。四代将軍家綱の時代には江戸城に湯を送る「お湯汲み」がはじまり、八代将軍吉宗時代に特にさかんに行われた。
現在、熱海の源泉として知られているのは「熱海七湯」と呼ばれる7つの温泉。万巻上人が見出し、家康が愛でた大湯には日帰り温泉施設があり、誰でも楽しむことができる。 |
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